欧州医薬品庁が追加接種に警告-植草一秀
植草一秀[経済評論家]
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ワクチンを接種してもコロナに感染する。感染した人は他者を感染させる。「接種証明」は接種したことを証明するもの。
しかし、接種しても感染防止の意味がないことが分かった。したがって、「接種証明」を感染防止策に利用する意味がない。「接種証明」は完全に意味を失った。巨額の税金を投入して推進されてきた「ワクチン・検査パッケージ」。政府の利益供与策実施の条件に「接種証明」または「陰性証明」を求めるもの。ワクチン接種した人は「接種証明」を提示するだけでよい。ワクチン接種していない人は「陰性証明」を取得して、その都度提示しなければならない。しかも、一部自治体は、自らの意思でワクチン接種していない人は自費で陰性証明を取得しなければならないとしていた。一般の自治体は副反応等を懸念してワクチン接種を受けない者は無料検査の対象としているが、線引きはあいまい。
要するにワクチン接種しない人に対する嫌がらせでしかない。しかし、オミクロンではワクチン接種した人とワクチン接種していない人との間で新規感染に差がないことが明らかになりつつある。ワクチン接種した人の方が感染する確率は高いとの見方さえある。ワクチン接種していても感染すれば他者を感染させる。したがって、「接種証明」は完全に無意味。
かねてより「接種証明は無意味」だと指摘してきたが、ようやく岸田内閣もこの点を認めざるを得なくなった。どうしても制度を動かすのなら、全員が「陰性証明」を示すことが必要と指摘したが、この方向で制度を運用する可能性が浮上している。コロナに対してワクチン一点張りで対応するのは極めて危険。ワクチン接種に対する反対意見が主要な関係者からも提示され始めた。欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が1月11日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)を短い間隔で繰り返すことに懸念を示したことが報じられた。EMAは、頻繁なワクチン接種が人体の免疫に悪影響を及ぼす可能性を指摘。
ロイター通信は、EMAのワクチン戦略責任者のマルコ・カバレリ氏が「追加接種は臨時措置であり、短い間隔で接種を繰り返すのは持続的な長期戦略とはいえない」と指摘したと伝えた。カバレリ氏は「4か月ごととかの高頻度でのコロナワクチン追加接種を繰り返すと、生来の自然免疫システムを壊してしまい免疫が下がって逆効果になるのでやめた方が良い」と警告したのである。「ワクチン接種の推奨」ではなく「ワクチン接種の危険性」が公的機関から提示されたことを重く見るべきだ。
ロート製薬代表取締役会長の山田邦雄氏はワクチンについて次のコメントを発表。
「人体の仕組みは知れば知るほど驚くほど複雑精緻にできており、コロナウイルスの細胞への侵入事象一つとっても、これほど複雑なプロセスで「攻防」が繰り返されているわけで、簡単にワクチン=人体にプラス..とはならないはずだ。ましてや、ワクチンでは感染が防げないことが事実として明らかになっているにもかかわらず、これを義務化したりパスポートにしようとしているのは非常に懸念される。科学的に合理的でないことが強制するのでは、もはや民主国家とは言えない。そうではなく、あくまでも重症化を防ぎ、自己の自然免疫で克服する医療ノウハウの開発にこそ重点を置くべきだ。」
日本の医薬品企業トップからも正論が示され始めている。ワクチンのメリットとデメリットを比較すると、客観的には明らかにデメリットがメリットを上回る。というより、ワクチン接種のメリットを見出すことは困難だ。ワクチン接種を推奨する人にとってのワクチン接種メリットとは、その人個人に何らかの経済的利得があるということに尽きるのではないか。自己の経済的利益のためにワクチン接種推奨を懸命に叫んでいる人ばかりであるように感じられる。
EMAの警告は極めて重要。
ワクチン接種が生来の自然免疫力を低下させてしまう恐れがあることが公的な専門機関から提示された意味をよく考える必要がある。2021年の死者数激増の背景にワクチン接種がある疑いは濃厚だ。
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