<やめ時を間違った「とんねるずの食わず嫌い」>バラエティ番組の寿命を縮める安易な「コーナー化」現象


高橋維新[弁護士]

 

企画モノのバラエティ番組には、様々な企画がある。企画の中には、当然ウケるものと、ウケないものが出てくる。ウケた企画は、通常、複数回行われる。その企画をやればウケて、数字(視聴率)がとれるからだ。

だからといって、その企画ばかりやるようになってしまえば、マンネリ化が生じて、飽きた視聴者が離れていってしまう。この現象を、筆者は番組の「コーナー化」と呼んでいる。「はねるのトびら」は、一時期「100円ショップ」の企画ばかりを放映するようになった結果、視聴者に飽きられて、番組が終わってしまった。

「とんねるずのみなさんのおかげでした」も、「とんねるずの食わず嫌い」という番組名ではないかと思わせるほどに「食わず嫌い王決定戦」ばかりを放映した結果、終わりかけた。現在は、マッコイDが入ってさまざまな新企画をやるようになったため、大分持ち直してきている。

「ぐるナイ」も、もうほとんど「ゴチ」という名前の番組になりかけており、非常に閉塞感が漂っている。

一度ウケた新企画に頼りすぎると、滞留が生じて番組ごと飲み込まれてしまうのだ。

この点「めちゃイケ」と「ガキ使」は、ウケた企画でもそればかりやることはない。両方とも長寿の番組だが、ある意味、最近では珍しい挑戦的な番組と言える。もちろん、どちらの番組も同じ企画を複数回やることはあるが、意外と簡単に見切って、切り捨ててゆく。両番組とも、その見切りが早いのも特徴だ。視聴者が「もう少し見たいのにな」と思っているぐらいのところでその企画をやらなくなってしまう。特に「めちゃイケ」は「ガキ使」と比べてもその見切りが早い。ほとんどずっと新企画をやっているという印象だ。

ただ「めちゃイケ」も、最近この見切りが鈍くなっているのではないかと感じることがある。「歌へた」はしつこすぎるぐらいにやっていたし、テストも昔ほど面白い答えが出てこない。ガリタ食堂も、カガリDの食いっぷりがおもしろいだけの企画なのに何回もやり過ぎである。ドキュメンタリーコントの方にも「ゲストがひどい目に逢う」以外の新しいフォーマットが欲しい。

「ガキ使」に関しても、いろいろと実験的な企画が多いので当たり外れは大きいのだが、「笑ってはいけない」はそろそろ賞味期限が来ているように思う。

番組の「コーナー化」とは作り手にとってはやりやすい手法であり、ちょっと気を抜けばいとも簡単に「コーナー化」してしまう。もちろん、視聴者が求めているモノを素直に提供し続けることが、結果的に「コーナー化」を誘発してしまう、ということもあるだろうから、それは視聴者と作り手の共犯関係と言えるのかもしれない。

しかし、作り手は、それが番組やコンテンツ自体の寿命を縮めている「諸刃の刃」であることも、肝に命ずるべきである。

 

【あわせて読みたい】

The following two tabs change content below.
高橋維新(たかはし・いしん)弁護士、コラム二スト。1987年、東京生まれ。2006年、東京大学法学部入学。2010年より「マヒ郎」のペンネームでファミ通町内会へ「ハガキ職人」として投稿を始める。現役ハガキ職人を続けながら、2012年に司法試験合格。2013年、弁護士登録(函館弁護士会)。ファミ通町内会長(第5代)。