<生涯、派遣?貧乏人は自衛隊へ?>安保法案審議の影で「労働者派遣法案」が可決


山口道宏[ジャーナリスト]

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政府は「安保法案」を審議のさなかに、国は「労働者派遣法」を可決させていた(9.9参院)。

「残業代ゼロ法案」や「裁量労働制拡大」などうたう労基法改定法案の数々は今国会では断念したと思いきや、厚生官僚は「その隙」を狙った。多くのマスコミは、その仕掛けに嵌まり、ほとんど報道もしなかった。

なかでも「労働者派遣法」は過去2回に亘り廃案となり「呪われた法案」と呼ばれた代物だが、今回の成立で、企業の派遣採用は「したい放題」となり、特定の専門業種・期間の限定も事実上の撤廃。「一生涯、派遣まま」への道を切り開く格好だ。

そもそも派遣とは企業側の調整弁。が、いまや我が国労働者の40%が派遣労働の時代である。その雇用関係の不安定は即ち生活の不安をよび、「だから結婚はできない」「だから子どもはつくれない」から、我が国の少子化に拍車をかける。

そして気がつけば「貧困は軍隊へ」が定番で、米国では軍隊への就職あっせんである。

安保法案の次は労基法の改悪、が目される。労組も、マスコミも反応が鈍い。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長