野党共闘を妨害する原発推進の御用組合「連合」[植草一秀]


植草一秀[経済評論家]

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日本政治衰退の主因が多くの主権者に理解され始めている。私は民進党の「鵺(ぬえ)体質」が日本政治混迷の主因であることを訴え続けてきた。

鵺とは、日本で伝承される妖怪あるいは物の怪のことで、猿の頭、虎の胴体、蛇の尾を持ち、翼持たずして空を飛び、陰気な鳴き声で人々を悩ませると言われる。

このことから「何だかよくわからないもの」を「鵺的な」と表現することがある。

民進党は「与党」でも「野党」でもない「ゆ党」である。

野党よりは与党に限りなく近く、与党と「癒着」する「癒党」=「ゆ党」なのだ。既得権による日本支配を維持しようと目論む勢力は、民進党を「ゆ党」体質に染め抜くことに全力を注ぐ。

そのために、与党と癒着する「御用組合」を民進党支持母体の「連合」として民進党にあてがっている。この基本構図を正確に理解することが、日本政治刷新を実現するカギになる。

2009年9月に樹立された鳩山由紀夫政権はまったく異質のものだった。官僚支配を根絶する。米国支配を断ち切る。大資本支配を断ち切る。

この基本方針を鮮明に示した。その具体化が官僚天下りの根絶、辺野古基地の県外、国外移設、企業団体献金の全面禁止の政策公約だった。

本当の意味の革新政権が樹立されたのである。この状況に直面して既得権勢力は驚天動地の心境に至った。

だからこそ、この新政権樹立を牽引した小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に対して、メディアを総動員した総攻撃が展開されたのである。

菅直人氏、野田佳彦氏、岡田克也氏は本当の意味での革新勢力である小沢氏と鳩山氏を排除するためのエージェントとして活用されたのである。

2010年6月政変は、このエージェント勢力による権力の強奪であった。

2010年2月に来日して小沢一郎氏と会談した米国務次官補のカート・キャンベルは、ソウルでキム・ソンファン氏と会談して、日本の窓口を小沢-鳩山ラインから菅・岡田ラインに切り替えると明言した。この機密情報がウィキリークスによって暴露された。

この基本方針に沿って、小沢一郎氏はねつ造された陸山会事件によって強制起訴された。

鳩山内閣は破壊されて、6月に菅直人クーデター政権が樹立された。

菅直人政権は政権発足と同時に辺野古基地建設推進と消費税増税実施の方針を打ち出し、民主党支持の主権者の総批判を浴び、参院選で惨敗した。

ここで本来は小沢一郎氏が民主党代表に就任し、小沢一郎政権が誕生するべきであったが、9月14日の民主党代表選で大がかりな不正選挙が実施されて菅直人政権が存続された。

そして、この菅直人政権の後継政権として樹立されたのが野田佳彦政権である。菅政権と野田政権の特徴は、米国、官僚、大資本による日本政治支配の構造に完全回帰したことである。

実質的に政治権力は既得権勢力の側に奪還され、2012年12月選挙で正式に既得権勢力への大政奉還が行われた。

この延長線上にあるのが現在の民進党であり、この民進党を野党第一党の地位に留まらせることによって、日本政治刷新の可能性を阻止している。これが現状である。

したがって、現状を打破するには、民進党を解体して、共産、自由、社民と共闘を組める勢力だけを抽出して、オールジャパンの平和と共生追求勢力の連帯を構築することが必要不可欠なのだ。

同時に、連合を「御用組合連合」と「労働組合連合」に分離させることが必要不可欠である。

このことに、ようやく多くの主権者が気付き始めている。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。