<朝の有効活用>朝をロケットスタートするための秘訣


茂木健一郎[脳科学者]

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『脳を最高に活かせる人の朝時間』という本の企画をいただいた時、ふしぎに思ったことがあった。私は長年、朝起きてすぐにトップスピードで活動するというのが当たり前になっていたので、そんなことを本で読みたい人がいるというのが信じられなかったのである。

ところが、編集者と話していると、実際に朝が苦手な人が多いのだという。私は、へえ〜と思って、改めて、朝のいきなりトップスピードの活動を支えていることは何なのか、と考えてみた。それが一冊の本になった。

まず、起きるために、小さな報酬を用意しておくことが必要である。私の場合、起きて机に行くと、コーヒーとチョコレートを食べる、という「よろこび」があるために、それにつられておきる、という仕組みになっている(笑)。

【参考】<脳科学者が考える音楽の聴き方>ヘビロテか、それとも新しい楽曲の探索か。

できるだけ早く外の太陽と外気にあたることも大切である。たとえば、朝起きたらできるだけすぐに近くのコンビニまで散歩して、朝ごはんの何かを買ったりする。その時、太陽光を浴びて、脳の中の回路が「朝だ」と認識して、目覚めのスイッチが入る。

朝は、一晩眠って睡眠の作用により脳の記憶が整理され、すっきりした状態になっているので、集中して仕事をしたり、創造的なことをするのに適している。また、朝はアポなども入っていないことが多いので、自分の工夫次第で自由に活動に使えるというメリットもある。

朝の時間の有効活用は、前の晩から始まっている。一日の終わりにだらだらと起きているのではなく、さくっと眠ってしまう。そのためには、リラックスするためのプロトコルを自分で確立しておくことが必要である。

私の場合は、パソコンで英国やアメリカのコメディを見ることにしている。笑って、リラックスして、たいていの場合10分くらいで眠ってしまう。眠くなるとパソコンを閉じて枕元に置き、それで眠ってしまうのである。

朝の時間が有効活用できるようになると、一日がロケットスタートできる。ぜひ、朝の時間を有効に活用できる人になって欲しい。『脳を最高に活かせる人の朝時間』も参考になるかもしれない。単行本でも文庫本でもある。

(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)

 

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茂木健一郎

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)脳科学者。株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。1962年10月20日、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程終了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を出て現在に至る。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。