<オタクは孤独ではない>集団の中ではひとりぼっちでもほんとうはスゴイ


茂木健一郎[脳科学者]

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先日の「脳なんでも相談室」に、学校で同好の士が見つからないというオタクの方からの悩みが寄せられていた。ぼく自身も「蝶オタ」だったからよくわかる。オタクは、そのとりあえず所属する集団の中では孤立しがちである。

オタクは孤立しがちだが、よく考えてみると、巨大な世界につながっている。なぜならば、オタクが興味を持っている対象は奥行きが深く、膨大で、一つの宇宙だとさえ言える。

集団の中ではひとりぼっちでも、ほんとうはすごいつながりがあるのだ。

【参考】オタク魂を持っている人は人間として成長する

同じ傾向を持つオタクたちと出会えればいいけれども、現実にはなかなか出会えないこともある。でも、そんなときでも、自分が興味を持っていることに対してコツコツと深掘りしていけばいい。そうすれば、実は孤独ではない。巨大なものとつながっているのだ。

孤独を癒やすのは必ずしも人間とは限らない。時にはひとつの考え、イメージ、システムが孤独を癒やしてくれることもある。何かに熱中して時間を忘れる。そのような向き合いこそが、孤独のいちばんの薬になる。

周囲の誰も興味を持たないようなことに熱中している時間は、一人望遠鏡で空の星を見上げているような時間と同じ質を持っている。満天の空を想えば、オタクは決して孤独ではない。

(本記事は、著者のTwitterを元にした編集・転載記事です)

 

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茂木健一郎

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)脳科学者。株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。1962年10月20日、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程終了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を出て現在に至る。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。