<安倍首相のオムツ交換は誰がする?>アドバルーンばかりの「介護離職ゼロ」など絵に描いた餅


山口道宏[ジャーナリスト]

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そもそも公的介護保険は、家族負担の軽減が目的。しかし、2000年(平成12)の施行から15年も経つと、その保険料は年々上がって当初の月額平均3000円が、いまや5000円台が相場。

保険料は上昇しても、使い勝手に改善があるわけでない。「それには使えません」に戸惑うこともしばしばだ。

さらに利用料の自己負担である。

低年金の老後の暮らしが多い昨今を考えれば、「利用控え」も珍しくない。すなわち、現在の公的介護保険とは「利用しない・できない」いわば絵に描いたサービスというわけだ。

結局は自宅で家族介護に委ねられた多くの現状を考えれば、「返せよ、保険料」と叫びたくもなる。それも「家族がいれば」の話ではあるが。

家族介護に家族は翻弄し、やがて仕事を辞めざるを得ない。なにが「家族介護から介護の社会化」である。

ところで、安倍政権の「新3本の矢」のひとつは「介護離職ゼロ」だという。「なぜ、介護離職に至るか」を語らずしてアドバルーンばかりを上げているように見える政権だ。

安倍さんは自分のオムツ交換を誰がするのか!? を考えたことがあるのか。

 

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山口道宏

山口道宏(やまぐち・みちひろ) ジャーナリスト、星槎大学教授、NPO法人シニアテック研究所理事長