衆議院総選挙を「政策選択選挙」にせよ-植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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「もりかけ隠し解散」にどう対応するか。何よりも大事なことは安倍政権の退場である。安倍自公を敗北させること。これが最優先課題だ。

安倍自公を選ぶのか、それとも反安倍自公を選ぶのか。主権者に審判を仰ぐ。「もりかけ隠し」を許すのか、「もりかけ隠し」を許さないのか。この判断を主権者に仰ぐ。小選挙区の選挙で、主権者に二者択一の判断を仰ぐには、候補者が二者択一になることが必要である。

ということは、「反安倍自公陣営」が候補者を一人に絞ることが一番大事になる。しかし、反安倍自公の要になるべき民進党のスタンスがぐらぐらしている。この足元を見透かされて安倍首相に解散戦略を仕掛けられたのだ。

この現状を踏まえれば、主権者が「反自公陣営」の候補者一本化を実現するしかない。主権者側が「反自公統一候補」を選定し、この候補者に反安倍自公の主権者投票を集中させる。これしかないだろう。

主権者側の「反自公統一候補」は党籍を問わない。「政策を基軸に」支援候補者を定める。主権者側の統一候補者選定の基準は「政策公約」だ。主権者にとって最も重要で最も切実な政策テーマに関する明確な公約を軸にする。

それは、原発稼動即時ゼロと消費税率の5%への引下げだ。消費税廃止が望ましいが、政策公約化するのには時間が足りない。まず実行できる「消費税率5%への減税」を公約に明記できるかどうかを候補者選定の基準にする。民進党から出馬予定の候補者でも、この基準をクリアすれば、主権者統一候補になる資格を持つ。

ただし、複数の候補者がこの公約を明示する場合、その複数が立候補すれば当選は覚束ない。候補者を一人に絞り込むことが必要だ。直ちに立候補予定者に公開質問状を送付し、原発稼動即時ゼロ、消費税率5%への引下げの二点を問う。

原発稼動即時ゼロ&消費税率5%への減税だけを基準に、すべての選挙区に一人の支援候補者を決める。これで選挙を戦うべきであると考える。

この候補者が各選挙区にただ一人定められれば、小選挙区で候補者が乱立しても問題はない。主権者国民勢力が総力を挙げて支援する候補がただ一人なら、候補者乱立はむしろフォローの風になる。主権者にとって大事なのは「政党」ではなく「政策」である。

安倍政治を退場させること、原発を即時稼動ゼロにすること、消費税率をまずは5%に引き下げることの三つを実現するため、衆議院総選挙を「政策選択選挙」とするべきだ。

安倍晋三氏は、森友・加計疑惑についての説明責任を果たさず、憲法が定める国会召集義務も果たさずにきた。そして、臨時国会召集を決めながら、その冒頭で衆院解散を行うことは、「もりかけ隠し」以外の何者でもない。

 

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。