安倍暴政に終止符を打つための基本戦術はこれだ -植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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2018年の通常国会は、政治私物化の象徴事案である森友・加計疑惑の全容を解明し、安倍内閣を退場させることが最重要課題であった。5月の連休前には財務省事務次官のセクハラ行為が認定され、安倍内閣総辞職は秒読み段階に移行した。

ところが、その安倍内閣が存続し、参議院の議員定数を増大させる言語道断の法律、ならびに災害復旧を放り出しての民間賭博場開設法が強行制定されるという暴挙が表面化している。

野党は内閣不信任案を提出したがNHKはその国会審議すら中継しない。日本の民主主義は完全に崩壊していると言わざるを得ない状況に転落している。

2012年に第2次安倍内閣が発足してから5年半もの時間が経過してしまった。この5年半に5回の国政選挙が実施されたが、選挙で安倍自民が主権者国民の圧倒的支持を獲得したわけではない。

選挙の図式はほぼ共通しており、主権者の半分が選挙を棄権している。選挙に行った半分の主権者のうち、半分弱が自公に投票している。自民党に投票した主権者は主権者全体の18%程度に過ぎない。主権者の6人に1人しか安倍自民に投票していないのだ。

選挙に行った半分の主権者のうち、半分強は反自公に投票している。しかし、議席数は自公が約7割、反自公が約3割という状況になっている。つまり、民意と国会議席配分の間に深刻な「ねじれ」が広がっているわけだ。

この5年半の間に、日本は荒れ地と化してしまった。「戦争をしない国日本」が「戦争をする国日本」に改変されている。フクシマの事故がいまなお被害を広げているなかで、全国の原発が安全対策も確保されないまま、全面再稼働され始めている。

「アベノミクス」の掛け声の下で進行してきたのは、普通に暮らす市民の生活水準の大幅な落ち込みである。労働者一人当たりの実質賃金は、第2次安倍内閣発足後に約5%も減少してしまった。あの、暗闇に近かった民主党政権時代でも、実質賃金は横ばい推移だったのだ。

アベノミクスはグローバルに活動を拡大する巨大資本の利潤を極大化させるためのもので、労働者を最小のコストで消耗品のように使い捨てにすることを実現するための「働かせ方改悪法」も強行制定されてしまった。

暗黒の日本、地獄絵図の日本を変えるには、どうしたらよいのか。日本を変えることができるのは、日本の主権者国民だけである。主権者が現実を知り、現実を変えるために行動すること。これなくして、地獄からの脱出は難しい。

その私たちが地獄から抜け出すには、選挙に勝つことがどうしても必要だ。どうしたら選挙に勝つことができるのか。これをはっきりさせて、実行に移すしかない。結論を改めて示すが、それは、「共産党を含む共闘体制を構築すること」である。

この方針で行動すると、必ず、「共産党とは共闘しない」とする勢力が登場する。この勢力こそ、自公政治存続のために行動する勢力である。

与党と野党の間でうごめく「ゆ党」であり、「隠れ与党勢力」、「あいまい勢力」、「鵺(ぬえ)」である。「たしかな野党」が結集して「あいまい勢力=隠れ与党勢力」を排除すること。これが勝利を獲得する方程式である。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。