<辺野古基地>ローラとウーマン村本、鳩山元首相の方がはるかに正しい-植草一秀


植草一秀[経済評論家]

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沖縄県は2月24日に県民投票を計画している。辺野古米軍基地建設の是非を問う県民投票である。ところが、一部自治体が県民投票に協力しないことを表明している。安倍内閣の息のかかった自治体が、県民投票を妨害する行動を示している。

辺野古の美しい海を破壊して米軍基地を建設することの是非を、沖縄県民に問う県民投票だ。沖縄のことは沖縄の主権者が決める。当たり前のことだ。昨年9月に実施された沖縄県知事選で最大の争点になったのは辺野古米軍基地建設の是非だった。米軍基地建設反対を明示した玉城デニー候補が、辺野古基地建設容認とみられた佐喜眞淳候補に8万票の大差をつけて勝利した。沖縄の主権者は辺野古に米軍基地を建設することに反対であることが改めて明確になった。

そもそも、米軍は沖縄に新しい米軍基地建設を必要としていない。極東の情勢が変化し、米軍の再編が進められている。米海兵隊が沖縄に駐留する必要性は消滅しており、米国は辺野古に新しい米軍基地を建設することを必要としない状況が生まれている。このなかで、沖縄の主権者が辺野古に米軍基地を建設することを求めていないのであるから、辺野古米軍基地建設は中止するべきだ。

沖縄県の玉城デニー知事は、昨年の知事選で、沖縄の主権者が辺野古に米軍基地を建設することに反対であることを確認した。このことを踏まえて、2月24日に県民投票の実施を計画している。県民投票を実施すれば、辺野古米軍基地建設反対の県民意思が改めて確認されることになるだろう。この結果が明らかだから、一部の自治体が県民投票実施を妨害している。極めて幼稚な対応と言わざるを得ない。

基地建設を推進したいなら、堂々と県民投票を受けて立ち、基地建設賛成の論陣を張ればいいではないか。県民投票を実施すれば、基地建設反対の県民意思が改めて明確になるから、これを認めなくないために県民投票を妨害する。あまりにも卑屈な行動だ。

芸能人のウーマンラッシュアワーの村本大輔氏の主張が正論である。辺野古米軍基地建設反対の県民意思が明示されることを恐れて県民投票を妨害するというのは、卑屈極まりない対応である。

鳩山友紀夫元首相は、辺野古基地建設に回帰して首相を辞任したが、この判断が誤りであったことを認めている。外務省が虚偽の米国情報を鳩山首相に提示して鳩山首相は県外、国外移設を断念したが、その根拠となった外務省情報が捏造されたものであったことが判明している。

安倍首相は2014年に「来年(2015年)10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。ふたたび延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします」と述べた。

ところが、2016年6月に、

「内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきである。そう判断いたしました」

「今回、『再延期する』という私の判断は、これまでのお約束とは異なる『新しい判断』であります」

と述べて、消費税増税を再延期した。

鳩山首相が辺野古米軍基地建設に反対していることについて、鳩山政権が辺野古米軍基地建設を決定したのではないかと批判する人々は、批判の前に、安倍首相による消費税増税再延期の決定について論じるべきだ。支持する安倍首相の方針変更は容認して、支持しない鳩山首相の方針変更だけを非難するのは、幼稚な対応である。

タレントのローラさんが、辺野古米軍基地建設反対の署名を呼びかけていることは賞賛に値する。安倍内閣の顔色を窺い、ローラさんを非難する人々の人間としての小ささがクローズアップされている。本当に小さい人間が増えすぎている。醜い姿であると言わざるを得ない。

鳩山元首相がメディアの攻撃を受けていることは、鳩山元首相の正統性を裏付けるものである。正統であるが故に攻撃を受ける。攻撃を受けることは正統性の証しであると、誇りに感じることが正しい対応である。

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植草一秀(うえくさ・かずひで) 1960年、東京生まれ。経済評論家(日本経済論、金融論、経済政策論)。東京大学卒業後、野村総合研究所、大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学経済研究所助教授、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院公共経営研究科教授、名古屋商科大学客員教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役社長。