キンコン西野の「面白い芸人は養成所時代からわかる」が面白い[茂木健一郎]


茂木健一郎[脳科学者]

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先日、ラジオの収録で、キングコングの西野亮廣さんとお話していて、へえ、と思ったのが、「面白い芸人は養成所時代からわかる」という話だった。そうなのか、と考えてしまった。

西野さんによると、吉本総合芸能学院(NSC)在籍時代から、後に売れる人は目立っていて、面白いなあ、と感じていたのだという。「例外は、ウーマンラッシュアワーの村本で、あいつは売れるまで、あんなのいたっけと気づかなかった」と西野さんはおっしゃっていた。

笑うのはお客さんだし、受けるかどうか、売れるかどうかを最終的に決めるのはお客さんだけれども、その売れるかどうかの判定が、笑いのプロ同士の間で、事前にある程度わかる、という話は、とてもおもしろかった。

【参考】キンコン西野「出版不況なんて嘘っぱち」<新作絵本の予約が2000部に>

笑いは技術なのか、キャラクターなのか、いわゆる「存在感」というやつなのか、ということは難しい問題だ。西野さんの言う、「面白いやつはわかる」というのは、技術よりもキャラクターのことだという気もする。

面白いやつ、存在しているだけで、なんとなく注目されるやつ、というのは確かにどのコミュニティにもいる。NSCは、それぞれの学校で「学校一おもしろい」的なキャラが集まってきて、甲子園で決勝をしているようなものなのだろう。

ちなみに、西野さんは、自分がよく炎上することについて、「世間と折り合いをつけていないからじゃないか」と言っていた。炎上するキャラと、おもしろいキャラは、どこか重なるところがある。

世間との折り合いをつける、つけないの間合いに、その秘密があるような気がする。

 

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茂木健一郎

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)脳科学者。株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。1962年10月20日、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程終了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を出て現在に至る。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。